「所詮、年寄りのひとり遊びでございます」と西條剋磨（さいじょうかつま）は冗談のように言う。 ルールを無視して生まれた作品は、たしかにゆがんでいたり常識から逸したアングルだったりする。 しかし、そこには西條の眼と右手を通した風景がある。 鮮やかさ、優しさ、ユーモアさ、懐かしさ…。 その作品は、見る人の心を温かくさせ、ときどきくすりと笑わせ、またその意外なまでの繊細さで人々を驚かせる。